健康への影響低減

私たちは、持続可能な未来のために、製品が公衆衛生に及ぼす影響を低減することを望んでいます

BATは、たばこ製品が深刻な健康リスクをもたらすこと、またそうした健康リスクを回避する唯一の方法は、たばこ製品を使用しないことだと理解しています。しかし、多くの消費者が喫煙を選択しているのも事実であり、喫煙がもたらす健康リスクを低減し、より健康リスクの小さいたばこや、ニコチンを用いた代替品を提供することを優先事項として取り組んできました。

ハーム・リダクションのアプローチを導入

ハーム・リダクション(害の低減)とは、公衆衛生上の確立された考え方であり、本質的にリスクのある活動の影響を、その活動を完全に止めることなく最小限に抑える実用的な方法を模索するものです。BATのたばこハーム・リダクションの取組みでは、喫煙を続けたいと思っている20歳以上の喫煙者が、従来の喫煙よりも健康リスク低減の可能性を秘めた製品(PRRP)を利用できるようにすることに重点を置いています。

研究開発においては、たばこハーム・リダクションに関する調査研究や、PRRPの開発に取り組んでおり、その成果として2016年に世界で初めて日本で発売した加熱式たばこ「glo™」があります。さらに科学者や規制当局と連携して、これらPRRPの販売促進を実施し、また消費者の安全と製品の品質を第一とする規制上の取り組みを提唱しています。

ニコチンへの誤解

ニコチンは、植物としてのたばこに含まれる天然成分であり、たばこの煙に含まれています。ニコチンを含む植物は他にもありますが、たばこより格段に少ないレベルでしかありません。

公衆衛生機関の多くは、ニコチンが中枢神経に作用し、喫煙への依存を助長し、常習性を高めていると考えています。

ただし現在、紙巻たばこの喫煙による肺がんなどの健康被害の主な原因は、ニコチンではなく、たばこを燃焼したときに発生する煙に含まれる有害性物質であると考えられています。喫煙者にとっては、科学的根拠に裏付けられた、たばこ葉を燃やさない非燃焼式たばこやニコチンの代替製品を知り、利用するといった、有効な情報に基づいた選択ができるようになることが重要です。

「喫煙関連疾患の主な原因は、たばこの燃焼に伴い発生する有害性物質であり、ニコチンではありません。」
米国食品医薬品局(FDA) スコット・ゴットリーブ長官(当時)(2017年10月19日)

透明性確保を重視する、世界最先端の研究開発

喫煙者の健康リスクは、私たちの事業がもたらす結果の中で最も議論の多い課題です。従来のたばこに代わる、PRRPによってたばこハーム・リダクションを支援するためには、公衆衛生の専門家や規制当局の支持を得られるよう、PRRPが喫煙と比べて健康リスクを低減する可能性があることを科学的にしっかりと裏付けることが不可欠です。

BATのビジネスにとって研究開発は重要な柱であり、私たちは半世紀以上前から積極的に取り組んできました。たばこの煙の化学的組成の解明や、有害性物質の究明、喫煙行動の把握、加熱式たばこやベイパー製品(電子たばこ)等のベイパー(蒸気)に含まれる成分や放出量の特定などに取り組み、そして、その成果を公開することにより、この課題に取り組んでいます。

中核となる取り組みが、科学に関する透明性の確保です。BATの科学研究プログラムの詳細は、次の科学専用ウェブサイト www.bat-science.com で公開しています。科学研究の成果は学会誌などで査読を受け、あるいは多数の科学者が参加する国際会議などに提出されています。会議や刊行物での、たばこの有害性低減をめぐる議論にも積極的に参加しています。さらに、研究開発プログラムの詳細を科学技術レポートとして刊行しています。OECDやCONSORT(Consolidated Standards of Reporting Trials)グループといった国際機関が定めている、厳格で最適な基準に従っています。

PRRPを評価するためには、たばこメーカー、科学者、規制当局の三者が互いに協力し合って、科学的根拠に基づいた手法を確立する必要があります。それにより、消費者は自分たちが受け取る製品情報が科学的根拠に基づいたものであることを確信し、様々な製品の健康リスクの特性に従い、正しい情報に基づいて選択を行うことが可能になります。

私たちは、各国政府が、公衆衛生政策に対する先進的な施策の一環としてハーム・リダクションがもたらす潜在的メリットについて慎重に検討することを希望しています。

BATの研究開発センターは英国サウサンプトンにあり、さらに世界各地にある研究開発チームもサポートしています。私たちが行っている研究には、世界各国の外部研究機関との共同事業として実施されているものもあります。

動物実験の廃止に向けて

BATは、製品の動物実験を望ましいものと考えておらず、近年では定期的に行うことはありません。私たちは常に再検討しながら、長期的には廃止していくことを目指しています。また長年、動物実験に代わる試験方法の開発に投資を行ってきました。

製品評価は主に、科学文献、化学分析、細胞培養をベースとするインビトロ試験(生物学的試験)によって行っています。この分野において私たちの資源の大半はこれまでも、そしてこれからも、社内研究センターや外部研究機関における動物を使わないインビトロ試験の開発に充てられます。確立された代替試験法がない現在、特に有害性を低減した次世代製品では、法的要件や規制要件、あるいは公衆衛生上の期待値を満たすかどうかを確認するために、実験用のラットを使った動物実験を実施しなければならないことがあります。

しかし、BATの研究室にはそのような動物実験を行う設備がないため、実験はすべて、政府の承認を受けた外部の研究機関に委託しています。

また、BATは、2017年に非動物実験の推進に大きく貢献したとして、PETA国際科学コンソーシアム(PETA International Science Consortium)から表彰を受けました。

ハーム・リダクション・フォーカス・レポート2018年版

ハーム・リダクション・フォーカス・レポート2018年版 (6,303 kb)

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